私は精神科医として、35 年以上に渡り
毎年のべ1 万人を超える患者さんと向き合ってきました。
その経験から、
うつ病になる方は自分や周囲を否定的にとらえ、
「自分は不幸だ」と感じ、
「自分は不幸なのに、周囲を幸せにしたい」という思いが強く、
その結果、エネルギーを使い果たしてしまっているように感じます。
自分ができないこと、処理不可能なことをやろうとすると、エネルギーを浪費します。
うつの方は、
「できないこと、変えられないこと」にエネルギーを使います。
不安が強い方は、
「不安をなくそうとすること」にエネルギーを使います。
だから、疲れ切ってしまうのです。
うつや不安で悩む方には、まずそこに気づいてほしいと思います。
できないことも、変えられないことも、ありのままに受けとめてみましょう。
そして、勇気をもって変えられる事は変えていきましょう。
今の出来ない自分を認めて受け入れることが出来たら、
おのずと今できる行動が理解できると思います。
そして、自分ができることにエネルギーを使いましょう。
人はみな、幸せになりたいと願うものです。
みなさんもまず、自分が幸せになることを考えてみませんか?
自分が幸せになってはじめてまわりの人を幸せにできるのです。
私は医師としての人生も終盤に入り、
うつや不安の治療の根本は患者さん自身が幸せになることだと思いながら診療を続けています。
クリニック足立 院長 足立 總一郎